特定運送委託とは|取適法(旧下請法)の定義・4類型・対象外・判断基準を完全解説【製造業・流通業・小売業必読】

特定運送委託とは、2026年1月に施行された取適法(旧下請法)により新たに適用対象となった取引の類型をいいます。これまで取適法は、製造委託のように業として行っている仕事を下請事業者に発注した場合に限り適用されていましたが、特定運送委託は、運送を業として行っていない場合であっても製造委託等に付随して行われる運送委託であれば、資本金基準または従業員基準を満たすと取適法(旧下請法)の適用対象となります。
製造業・流通業・小売業など
の運送委託が特定運送委託として取適法の適用対象となります。

特定運送委託とは?定義・判定・義務・リスクを即確認(取適法(旧下請法)2条5項)


項目内容
1対象荷主が自社の販売・製造・修理・情報成果物作成に伴い、取引相手(顧客等)への運送を外部の
運送事業者に委託する取引(取適法2条5項)
2判定
(基準)
取引相手(顧客・発注元)の占有下に物品を移動させる運送かどうかで判断。
自社拠点間の移動(取引の相手がが特定されていない場合)・廃棄物収集運搬は原則「対象外」
3義務4条書面(発注書)の交付 / 60日以内の支払期日設定 / 2年間の書類保存。手形払いは全面禁止
4リスク50万円以下の罰金(書面不交付・未保存)
公正取引委員会からの勧告・社名公表
行政調査では過去2年分の発注書・支払記録・価格交渉履歴の提出を求められる

ここでいう荷主とは、製造業、流通業、小売業など、自ら製造・販売する商品の運送を発注する立場にある事業者をいいます。

この記事を書いた人
行政書士 楠本浩一(行政書士法人運輸交通法務センター 代表)
パナソニックの物流部門・物流子会社にて20年以上物流法務を担当
著書:荷主と物流会社のための物流下請法と「法令違反」防止ガイド

<この記事でわかること>
【特定運送委託とは】荷主企業(製造業・流通業・小売業等)が自社製品の配送を運送会社に委託する取引のこと(取適法2条5項)
【対象外となる主なケース】産業廃棄物の運搬 / 自社内の拠点間移動 / 贈答品・無償サンプルの運送 等
【主な義務】4条書面(発注書)の交付 / 60日以内の支払期日設定 / 2年間の書類保存
【主な禁止事項】
協議に応じない一方的な代金決定/減額/買いたたき/長時間の荷待ち・無償の附帯作業(不当な利益の提供要請)

2026年1月1日に施行された取適法(製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)では、新たに特定運送委託が規制対象に追加されました。製造業・流通業・小売業などの荷主企業が運送事業者に委託する配送業務も、取適法の対象になる可能性があります。本記事では、荷主の物流担当者・管理責任者が現場で使える判断基準を得られるよう、発注書に何を書けば違反にならないか、どの運送が対象外か、全国100か所以上の物流拠点での実務経験をもとに徹底的に整理します。

目次

1.特定運送委託の定義(取適法2条5項)——2026年1月施行の条文を確認

(1)条文上の定義

取適法第2条第5項

この法律で「特定運送委託」とは、事業者が業として行う販売、業として請け負う製造若しくは業として請け負う修理の目的物たる物品又は業として請け負う作成の目的たる情報成果物が記載され、記録され、若しくは化体された物品の当該販売、製造、修理又は作成における取引の相手方(当該相手方が指定する者を含む。)に対する運送の行為の全部又は一部を他の事業者に委託することをいう。

条文を整理すると、荷主が、自社の事業(販売・製造・修理・情報成果物作成)に絡む物品の運送を運送事業者に委託する取引が特定運送委託です。重要なポイントは2点あります。

  • 業として運送を行っているかどうかは問わない:荷主(メーカー・流通業・小売業等)は自分では運送業をしていなくても対象になる(これが旧下請法との最大の違い)
  • 取引の相手方に対する運送が要件:自社内の移動(工場から倉庫への運送等)や産業廃棄物の運搬は原則対象外
判断基準⭕

誰のための運送か(取引相手への引渡しか)が対象判定の基軸

(2)改正前の下請法との違い なぜ追加されたのか

改正前の下請法では、荷主から運送事業者への運送委託は規制対象外でした。その結果、物流現場では以下の問題が慢性化していました。

  • 長時間の荷待ちが常態化しても対価が支払われない
  • 荷積み・荷降ろし・棚入れ・ラベル貼り等を無償でドライバーに行わせる商慣行
  • 運送事業者からの価格交渉に荷主が応じない
  • 燃料費・人件費上昇分のコスト転嫁が全業種で最も進んでいない
実務情報 令和7年10月の「合同荷主パトロール」 制度が現場に来た

令和7年10月、地方運輸局のトラック・物流Gメンと公正取引委員会が合同荷主パトロールを実施しました。公正取引委員会の調査官が物流現場に直接赴き、発注書や支払記録を確認する体制が整っています。

合同パトロールで実際に確認されたポイントは、(1)口頭発注の存在、(2)附帯業務の無償依頼、(3)価格交渉履歴の不在、この3点に集中していました。

(3)用語の整理 (委託事業者/中小受託事業者)

取適法への移行に伴い、旧下請法の用語が変更されました。現場でも混乱しやすいため確認してください。

旧下請法の用語取適法(新)の用語ポイント
親事業者委託事業者荷主がここに該当
下請事業者中小受託事業者運送事業者がここに該当
下請代金製造委託等代金運賃もここに含まれる
三条書面四条書面発注時に交付する書面
五条書面七条書面2年保存義務のある記録

2.特定運送委託の資本金基準・従業員基準

(1)30秒で判定するフロー

制度の詳細を読む前に、自社が対象かどうかを確認します。以下のSTEPフローに沿って判断してください。

STEP
その物品・成果物を「取引の相手方(顧客・発注元)またはその指定先」に向けて運送しているか?

はい →STEP3へ

いいえ→特定運送委託に該当しない(工場から倉庫への運送等、自社内での商品の移動)

STEP
自社は「販売・製造・修理・情報成果物作成」のいずれかを業として行っているか?

はい →STEP2へ

いいえ→特定運送委託に該当しない

STEP
その運送を「外部の運送事業者」に委託しているか?(自社トラックで配送していない)

はい →STEP4へ

いいえ→自社トラックでの配送の場合は対象外

STEP
委託先の資本金が3億円以下、または従業員数が300人以下か?

はい →STEP5へ

いいえ→資本金・従業員数によっては適用外

ただし自社の資本金が1000万円超の3億円以下の場合は、委託先の資本金が1000万円以下の委託先が取適法の対象

STEP
自社の資本金が3億円超、または従業員数が301人超か?

はい →【取適法の対象】4条書面等の義務を確認してください

いいえ→自社が委託事業者の要件を満たさない場合は対象外

ただし自社の資本金が1000万円超の3億円以下の場合は、委託先の資本金が1000万円以下の委託先が取適法の対象

(2)資本金基準・従業員基準のまとめ

取引の種類委託事業者(荷主)中小受託事業者(運送事業者)
製造・修理・特定運送委託 【資本金基準(1)】資本金 3億円超資本金 3億円以下(個人含む)
製造・修理・特定運送委託 【資本金基準(2)】資本金 1,000万円超〜3億円以下資本金 1,000万円以下(個人含む)
製造・修理・特定運送委託 【従業員数基準(2026年1月新設)】従業員数 301人超従業員数 300人以下(個人含む)
判断基準

資本金・従業員数はどちらか一方該当していれば適用対象。グループ合算しない。法人単位で判断象判定の基軸

3.特定運送委託の4類型(取適法2条5項1号〜4号) 自社はどれに当てはまるか

特定運送委託には、荷主の事業内容に応じて4つの類型があります。各類型には現場の確認ポイントも掲載しています。自社の実態と照らし合わせてください。

類型委託事業者の業種対象物品典型例現場の確認ポイント
類型1(販売)製造業・流通業・小売業・EC通販業者販売した物品家具小売業者が顧客への配送を委託「納品ついでに棚に入れて」は附帯業務。書面に対価の記載はあるか?
類型2(製造)部品・機器メーカー等 受注製造業者製造請負した部品精密機器メーカーが発注元へ部品を納入委託「検品後にラベルを貼って」は附帯業務。無償依頼は違反リスク
類型3(修理)家電・自動車・産業機械等の修理業者修理した物品家電メーカーが修理品を顧客へ返送委託「フォークリフトを使って降ろして」は運送条件がどうなっているかを確認。車上渡しであれば別途荷降ろし料の支払が必要
類型4(情報成果物)広告代理店・デザイン・印刷会社等情報成果物が記載された物品デザイン会社が広告ポスターを広告主へ配送委託「ポスターと一緒に展示する機器も運んで」は別途確認・別に運賃の支払いが必要

※出典:公正取引委員会・中小企業庁発行「中小受託取引適正化法テキスト」(令和7年11月発行)P18~P20を参考に筆者作成

(1)類型1(販売)製造業・流通業・小売業・EC通販

物品の販売を業として行っている事業者が、販売した物品を購入者(またはその指定先)に運送するための委託が対象です。

  • 具体例(1):量販店がメーカーから仕入れた家電製品を顧客宅に届ける配送を運送会社に委託するケース
  • 具体例(2):EC通販事業者が自社ブランド商品を購入者に届けるための宅配委託
現場の確認ポイント

納品先で「ついでにこの棚に並べておいて」という口頭指示(附帯業務)の対価が発注書に記載されていなければ不当な利益提供要請となるおそれがあります。

(2)類型2(製造)受注製造・部品メーカー

物品の製造を業として請け負っている事業者が、製造した物品を発注者(またはその指定先)に運送するための委託が対象です。

  • 具体例(1):自動車部品メーカーが完成した部品を自動車メーカーへ納品するための運送委託
  • 具体例(2):食品製造受託会社が製造した商品を依頼元の食品メーカーの倉庫に運ぶ運送委託
現場の確認ポイント

納品先で「検品後にラベルを貼って」は附帯業務です。無償でドライバーに依頼するのは、取適法の不当な経済上の利益の提要要請にあたります。

(3)類型3 (修理)家電・自動車・産業機械等修理業者

物品の修理を業として請け負っている事業者が、修理した物品を発注者(またはその指定先)に運送するための委託が対象です。

  • 具体例(1):家電メーカーが修理を完了した家電製品を顧客宅へ返送するための運送委託
  • 具体例(2):産業機械メーカーが修理した設備を工場ラインに返納するための運送委託
現場の確認ポイント

「フォークリフトを使って降ろして」は契約書上で運送条件がどうなっているかを確認が必要です。車上渡しで契約をしている場合は、積み降ろしの荷役業務は納品先が行います。軒先渡しで契約している場合は、積み降ろしはドライバーの役割です。車上渡し契約なのに納品先で常時ドライバーが積み降ろしを行っているようであれば、契約書を変更し附帯作業の料金を払わなくてはなりません。

(4)(情報成果物) 広告・デザイン・印刷会社

情報成果物の作成を業として請け負っている事業者が、当該情報成果物が記載された物品を発注者(またはその指定先)に運送するための委託が対象です。

  • 具体例(1):広告代理店が制作した販促ポスターを小売チェーンの各店舗へ配送委託する
  • 具体例(2):印刷会社が印刷した商品カタログを発注元の通販会社へ納品するための運送委託
現場の確認ポイント

「ポスターと一緒に展示する機器も運んで」と当日集配に来たドライバーに依頼するのは問題となる行為。事前に発注書面で交付しておくことが必要。


判断基準⭕

特定運送委託に該当するかどうかは、

  • 4類型のどれかに「当てはまる」
  • 外部の事業者に運送委託している
  • 資本金基準もしくは従業員基準が該当

の3つの条件を満たする該当する。

注意点
自社工場から自社物流センターへの運送は特定運送委託の対象外ですが、その商品がすでに顧客が発注しており、物流センターを経由して顧客のもとに届ける場合は、特定運送委託の対象になります。
物流センターに在庫するのか、お客様に配送するために物流センターを経由するのかで該当・非該当が分かれます。

4.特定運送委託 対象・非該当の境界図

どの運送が「特定運送委託」に当たり、どの運送が対象外になるか——現場でもっとも判断に迷うポイントです。以下の境界図で整理します。

特定運送委託に【非該当】

  • 自社工場から自社物流センターなど同一法人の拠点間運送
  • 産業廃棄物の収集運搬
  • 無償サンプル品・DM・連絡文書の運送
  • 贈答品(お中元・お歳暮)の運送
  • 返品(下取り)のために顧客から自社までの運送
  • 自社で使用・消費する物品(備品等)の運送
  • 自社商品の半製品・部品の工程間移動(取引目的なし)

特定運送委託に【該当】

  • 販売した物品を顧客に届ける運送委託(類型1)
  • 製造請負物品を発注元に届ける運送委託(類型2)
  • 修理した物品を顧客に返す運送委託(類型3)
  • 情報成果物が記載された物品の運送委託(類型4)
  • 上記の「経路の一部」(工場→センター→顧客の全区間)
  • 発送+返品(下取り回収)を一体発注した場合の全運送
  • グループ会社(親子・兄弟会社)が取引先の場合も対象

境界線の判断基準は「占有の移転先」
特定運送委託に該当するかどうかの本質的な判断基準は、その運送が取引の相手方(顧客・発注元)の占有下に物品を移動させること(所有権移転)を目的としているかです。自社倉庫間の移動や廃棄物収集運搬は、取引相手の占有下に物品を移す行為ではないため、原則対象外になります。

※出典:公正取引委員会・中小企業庁発行「中小受託取引適正化法テキスト」(令和7年11月発行)P32~P34を参考に筆者作成

判断基準⭕

「誰の手元に届く運送か」で判定する。自社倉庫・廃棄物の収集運搬は原則対象外

5.「運送」の範囲 荷役・附帯業務はどこまで含まれるか?

(1)輸送手段に限定はない(自動車・鉄道・海運・航空すべて対象)

特定運送委託における「運送」は、手段について何ら限定されていません(取適法2条5項)。「トラック輸送だけが対象」という誤解が現場に多く見られますが、自動車・鉄道・海運・航空すべての輸送手段が含まれます。荷主(委託事業者)と運送事業者(中小受託事業者)との取引が日本国内で行われたものであれば、貨物の発着地が国外でも対象です。

(2)荷役・附帯業務は含まれるのか?実務の最重要ポイント

荷役作業・附帯業務特定運送委託に含まれるか実務上の注意点
積み込み(荷積み)原則含まれない附帯業務として対価を分けて明示
積み降ろし(荷下ろし)原則含まれない附帯業務として対価を分けて明示
倉庫内作業原則含まれない附帯業務として対価を分けて明示
養生・固縛・シート掛け運送と一体的に行われる場合は含まれる委託者の特別指示がある場合は除外

注意点

特定運送委託は、運賃として支払われる内容が対象になり附帯業務で料金として支払われる内容は対象外になります。但し、取適法の特定運送委託の対象外であっても物流特殊指定(公正取引委員会告示)の倉庫における保管の対象となります。物流特殊指定も公正取引委員会の管轄であり、行政処分の事例もありますので、特定運送委託の対象ではなくても、同様の注意が必要です。

注意 「運送業務、その他一切の附帯業務」という記載に違反のおそれあり
公正取引委員会は「運送業務、その他一切の附帯業務」といった包括的な記載は書面不交付・記載不備にあたるとして、取適法違反のおそれがあるとの見解を示しました。
役務の内容について運送業務以外の役務を明確にするよう指導を行っています。

※出典:運送事業者間の取引における下請法違反被疑事件の集中調査の結果について令和7年12月23日 公正取引委員会・中小企業庁発表より

判断基準⭕

「荷役・附帯業務は「運送とは別に」内容と対価を発注書面に明示する。

6.「取引の相手方」の範囲 グループ会社・物流子会社・海外法人

(1)親会社子会社間・兄弟会社間も「取引の相手方」に含まれる

特定運送委託における取引の相手方には、運送の発注事業者と親会社子会社間・兄弟会社間の取引も含まれます

例:製造業である親会社が販売会社である子会社に商品を販売し、その運送を外部の運送事業者に委託する場合は特定運送委託の類型1に該当します。

(2)運送委託先が物流子会社(株式を50%超保有)の場合

運送委託先(中小受託事業者)が物流子会社(株式を50%超保有)の場合は、実務上取適法は適用されません。

(3)海外法人との取引・国際輸送の場合

引の相手方が外国法人である場合や、貨物の発着地が国外でも、荷主(委託事業者)と運送事業者(中小受託事業者と)の特定運送委託が日本国内で行われたものであれば取適法の適用対象です。グローバル調達・輸出を含む物流体制を持つ企業は特に注意が必要です。

判断基準⭕

誰に届けるか(取引の相手方)で判断する。取引の相手方はグループ間取引であっても原則含まれる。

7.経路の一部 自社物流センター経由の場合判定

(1)自社工場から自社物流センターへの運送は対象外

同一法人の物流拠点間の移動(例:自社工場から自社物流センター)は、取引の相手方に対する運送ではないため、通常は特定運送委託に該当しません。

(2)例外として顧客配送の途中の場合は特定運送委託の対象

自社拠点間の運送であっても、それが取引の相手方への運送経路の一部として機能する場合は特定運送委託に該当します。物流センターで商品を在庫するのではなく、工場出荷時点で既に顧客への配送が決まっており物流センターで積み替え(経由)のみ行われる場合は特定運送委託の対象になります。

原則:対象外
【自社拠点間の単純移動】

自社工場→自社物流センター
(在庫する商品で、取引の相手方がまだ決まっていないため)

例外:対象(経路の一部)
【顧客配送の途中に自社センターを経由】

自社工場→自社物流センター→顧客への配送
※工場から物流センターへの運送も特定運送委託に該当

判断基準⭕

取引の相手方(グループ会社も該当)が決まっているか、まだ決まっていないかで判断

8.一体発注 下取り品・返品の運送委託の扱い

(1)下取り品・返品の運送は原則対象外

顧客から下取り品を回収する運送(いわゆる返品:顧客から自社への運送)は、取引の相手方に対する運送ではないため、原則として特定運送委託に該当しません。

(2)ただし発送と一体発注なら対象

代替品の配送と下取り品の回収を1件の発注で委託する場合は、一体として特定運送委託に該当し、両方の運送が取適法の対象となります。

対象外(単独発注)
下取り回収だけを単独で発注する場合
顧客から自社への下取り運送のみ委託 する場合は、取引相手に対する運送ではないため対象外

対象(発送と一体発注の場合)
「代替品の納品+不良品の回収」といった場合で1件の発注で発送と回収を委託する場合は、発送も下取り回収も両方が特定運送委託に該当

判断基準

発送と一体発注であるかどうか。発送の場合は、取引の相手方が存題するため、その付随運送である下取り回収も特定運送委託の対象となる。

9.産業廃棄物収集運搬・贈答品・半製品 「該当しない」典型例

(1)特定運送委託に該当しない典型例

以下の運送委託は、特定運送委託の4類型に当てはまらないため取適法の規制対象になりません。ただし、実態によって判断が変わるケースもあるため、注意事項も含めて確認してください。

対象外となる運送の種類対象外の理由実務上の注意点
(1)無償サンプル品・DM・連絡文書の運送販売・製造等の「目的物」ではなく販促・連絡用物品有料サンプルなら対象になる場合あり。要確認
(2)産業廃棄物の運搬廃棄物処理であり取引の目的物の引渡しではない有価物・リサイクル品は性質で判断が変わる(要注意)
(3)発注者から受注者への無償支給品の運送「取引の相手方への運送」の方向が逆(発注者から受注者)支給品送付ルートを整理して方向を確認すること
(4)お中元・お歳暮などの贈答品事業取引の目的物でなく贈答行為「取引先への返礼品」名目でも実態で判断される
(5)自社で使用・消費する物品(備品・消耗品等)販売・製造等の目的物でなく自社消費品原材料仕入れをミルクラン方式で自社が運送委託したは原則対象外仕入先が運送をした場合は対象
(6)半製品・部品の工程間移動(取引目的なし)取引相手への引渡しを目的としない自社内工程外部発注の経路に組み込まれた場合は対象になる

(2)産業廃棄物・有価物・リサイクル品の扱い

産業廃棄物の収集運搬は原則対象外ですが、実務では以下のグレーゾーンが問題になります。

有価物(スクラップ・古紙等)の回収廃棄物ではなく有価取引の場合は取引の相手方が存在するため原則特定運送委託の対象
逆有償の回収原則、産業廃棄物収集運搬と同じ扱いになるが取引の実態で判断
リサイクル業者への引渡し製造業者が消費者から製品を回収してリサイクルに回す場合は取引の実態で判断

実務情報 産業廃棄物・リサイクル品の回収が含まれる発注は個別判断が必要
発注書に「廃棄物の回収含む」と書いてあれば安心、というわけではありません。物品の性格・取引の実態・収益の方向性を総合的に確認してください。有価物の場合は原則、特定運送委託の対象になるので、特に慎重に判断する必要があります。

判断基準

産業廃棄物収集運搬は原則対象外だが、有価物・リサイクル品の運送は実態で判断が変わります。

10.宅配便・バイク便の扱い

宅配便やバイク便であっても荷主から取引の相手方への運送を委託する場合は、資本金基準もしくは従業員基準によって特定運送委託の対象になります。

11.取適法4条書面(旧下請法3条書面:発注書)NG例とOK例 公正取引委員会の立ち入り調査で指摘される「実際の書面」

取適法(特定運送委託)への対応で最もすぐに着手できるのが契約書・発注書の整備です。以下に、公正取引委員会の立入調査で実際に指摘されやすいNG例と、要件を満たすOK例を対照して示します。

NGの発注書(違反リスクあり)

発注内容:〇〇物流(株) 御中
品目:家電製品(〇〇型)配送一式
金額:一式 ××円
支払:翌月末
備考:運送業務、その他一切の付帯業務を含む

問題点
(1)運賃と附帯業務(料金)の対価が未区分(公取委が違反のおそれと指摘)
(2)「翌月末」は60日超の可能性あり(支払遅延に該当)
(3)発注書を出せない場合、その取引は「不存在」と評価されるリスク

OKの発注書(4条書面の要件を満たす例)

発注内容:〇〇物流(株) 御中
(1)運送役務:家電製品(〇〇型)配送
運送対価:〇〇円(1件あたり)
(2)附帯業務:積み降ろし・検品・ラベル貼り
附帯業務対価:
積み降ろし○○〇〇円(30分以内)
検品    ○○○円(1梱包当たり)
ラベル貼り ○○○円(1梱包当たり)
(3) その他料金:燃料サーチャージ〇〇円
支払期日:役務提供日から30日以内

ポイント
(1)運賃と附帯業務(料金)の対価を区分して記載
(2)支払期日を役務提供日基準で明示(60日以内)
(3) 燃料サーチャージ等も別途明示

■ 4条書面(発注書)の必要記載事項
(1)委託者・受託者・荷受人の名称、(2)発注日付、(3)委託の内容(運送+附帯作業)、(4)役務提供日(運送日)、(5)積込み場所・積み降ろし場所、(6)積込み予定日時・積も降ろし予定日時、(7)附帯作業の有無と内容(積込み・積み降ろし等)、(8)運賃・附帯作業(料金)の額(※)、(9)支払期日(※)、(10)電子記録債権の額・満期日(電子記録債権払いの場合)、(11)その他(商品取り扱いの注意事項(冷蔵・危険品・ワレモノ・液体・天地無用等)、高速道路通行の有無など)
注意:手形払いは取適法で禁止。電子記録債権(でんさい等)や振込払いへの切り替えが必要
(※)運賃・料金、支払期日は契約書や覚書で定めて紐づけさせることでも可

注意 発注書を出せない=「不存在の発注」と評価されるリスク
公正取引委員会の立入調査の際に発注書を提出できない場合、その取引は「不存在の発注(発注がなかった)」として評価されるリスクがあります。立入調査では過去2年分の発注書の提出を求められます。
これは「違反かどうか」という問題以前に、企業として発注管理体制が機能していないことを意味します。現場の責任者だけでなく役員も責任を問われる事態に発展するケースも想定しておく必要があります。

判断基準

発注書は証拠書類。過去2年分が出せないこと自体がリスクになります。

12.特定運送委託の場合の4つの義務と8つの禁止行為

(1)4つの義務

義務の種類内容現場でよくある違反パターン
①4条書面(発注内容)明示義務給付内容・代金・支払期日・支払方法等を発注時に書面または電磁的方法で明示電話・口頭での配車指示のみ。発注書を出せない場合、その取引が「不存在の発注」と評価されるリスクがある
②支払期日設定義務物品受領日から60日以内のできる限り短い期間で設定し、発注時に明示「月末締め翌々月払い」では60日を超えている。支払期日を書面に未記載。担当者の経理処理忘れによるミス
③書類作成・保存義務(7条書類)取引完了後に給付内容・受領日・代金・支払日等を記録し2年間保存。公正取引委員会の立入調査調査では過去2年分の提出を求められる配車記録のみで支払記録と紐づいていない。
(4)遅延利息支払義務支払遅延・代金減額等の場合、年率14.6%の遅延利息を支払う「今月予算が厳しいから来月に回す」が常態化しているケース

(2)8つの禁止行為

義務の種類
①代金の減額
②買いたたき
③協議に応じない一方的な代金決定(価格転嫁・値上げの一方的な拒否)
④支払遅延
⑤不当な経済上の利益の提供要請(長時間の荷待ち・無償の附帯作業)
⑥不当な給付内容の変更・やり直し
⑦購入・利用強制
⑧報復措置

※取適法では11の禁止行為があるが受領拒否・返品・有償支給原材料等の対価の早期決済は特定運送委託には該当しないため8つの禁止行為となる。

判断基準

自体がリスクになります。4つの義務と8つの禁止行為は発注の瞬間から始まります。後から追加したり・修正したりすることでは原則できません。

13.貨物自動車運送事業法との関係

運送事業者に委託する場合、取適法の4条書面義務に加え、2025年4月1日施行の貨物自動車運送事業法改正による書面交付義務も同時に発生します。1つの発注書面で対応可能ですが、保管期間等違いがありますので注意が必要です。

比較項目取適法(4条書面)貨物自動車運送事業法
対象特定運送委託全般(自動車・鉄道・海運・航空)トラック輸送(一般・特定貨物自動車運送事業者)
※鉄道、海運、航空は別の法律で規定
電磁的記録での交付可(相手方の承諾が必要)同左
運送と附帯作業(荷役)の区分記載荷役も委託する場合は区分必須同左
1通の書面で対応取適法・貨物自動車運送事業法は同じ書面1通で対応可能同左
罰則法人・個人に50万円以下の罰金(書面不交付)勧告等の行政処分勧告等の行政処分
保存期間運送日から2年間運送日から1年間

■電子メール・EDIで対応する場合の注意点
取適法、貨物自動車運送事業法共に相手方の承諾が必要です。1通のメールに両法の記載事項をまとめる場合は、事前に運送事業者(中小受託事業者)の承諾を取得しておく必要があります。

判断基準

取適法と貨物自動車運送事業法は個別に発注書を交付する必要はない。同じものを1通交付するだけで可。ただし2つの法律の要件を満たした書面を交付しなければなりません。

14.公正取引委員会の立入調査を想定した3つのセルフチェック

公正取引委員会の立入調査で実際に確認されるポイントに直結する今すぐ着手できる実務3点を示します。制度を理解しても、現場の運用が変わらなければ意味がありません。今すぐ、物流現場で点検するようにしてください。

実務チェック①「口頭発注」をしない。必ず書面を交付する
「明日10トン車1台追加」という電話一本が4条書面不交付の典型例です。発注書を出せないことは、その取引が「不存在」と評価されるリスクに直結します。立入調査では過去2年分の発注書の提出を求められます。
実務チェック②「附帯業務の無償対応」の料金を決めて契約書に落とし込む
荷待ち・ラベル貼り・棚入れ・検品、これらを過去からの取引慣行として無償で依頼し続けることは、取適法の「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」違反のおそれがあります。現場だけの対応ではなく、経営課題として取り組む必要があります。
実務チェック③「価格交渉の履歴」を記録として残す
運送事業者から価格交渉を求められた場合、「なぜその価格になったか」のプロセスを記録することが、協議に応じない一方的な代金決定の禁止を守る証拠になります。交渉履歴がない場合、物流部門や担当する部門の管理責任が問われる事態に発展します。
判断基準

公正取引委員会に自信をもって見せることができる書類を揃えて置くことが肝要です。

15.違反した場合のリスク

取適法の規制に違反した場合のリスクは書類交付ができていない、書類保存ができていないから罰金だけではすみません。経営管理の観点から整理します。

フェーズ内容現場で実際に起きること
①行政調査公取委・中小企業庁・トラック物流Gメンによる立入・書面調査契約書・発注書面・支払の記録・価格交渉記録の提出を求められる。公正取引委員会の調査では過去2年分の記録が対象になる。2年分の書類を出せない企業は、「管理体制の不存在」と評価される
②指導・勧告違反が認められた場合、公取委から是正措置の勧告・指導社内対応コスト、取引先への説明が必要。取締役会・監査部門への報告義務が発生するケースも
③公表違反の内容が指導の域を超えて勧告に至った場合、企業名・違反内容が公表されるメディア報道・取引先離れ・採ランドへの毀損。物流部門及び担当部門の管理責任問題に発展する
④罰金4条書面(発注書)を交付しない:50万円以下の罰金(法人だけでなく個人にも罰金刑が及ぶ)罰金自体より指摘事項の改善対応・社内の体制整備・違反部門以外への教育等の間接コストが数倍大きい
⑤独占禁止法適用悪質な優越的地位の濫用は独占禁止法でも処理排除措置命令・課徴金納付命令

注意 「相手が同意していた」は通用しない
取適法は強硬規定ですので、契約自由の原則よりも取適法が優先されます。運送事業者(中小受託事業者)が同意していた場合でも、または委託事業者に違反の認識がなかった場合でも、違反に該当し得ます(中小受託取引適正化法ガイドブック14頁参照)。
担当役員や監査部門が認識していないところで現場が勝手にやったでは通用しません。会社全体に経営課題として取適法の制度を理解して発注のやりかたそのものを見直す必要があります。

16.経営・管理責任者が確認すべき取適法遵守体制

取適法違反は「物流現場だけの問題」ではない

取適法の調査は契約書・発注書面・支払の記録・価格交渉記録を対象とします。物流部門だけではなく経理部門、法務部門、その他の部門も関係する経営課題です。違反が認定された場合、取締役会への報告義務、監査部門の指摘、物流部門及び担当部門の管理責任問題へと発展します。「物流の現場が勝手にやっただけ」では済まない問題です。

特定運送委託の対応は「契約書をきっちり整備すること、書面を交付することでは終わりません。現在の発注構造を放置したまま書面だけを整えても、現場の運用が書面どおりに運用されていないと実態違反になってしまいます。取適法の制度は条文の理解だけではなく、本社のガバナンスと現場の実務を再設計することから始まります。

取適法・物流特殊指定・独占禁止法・貨物自動車運送事業法、物流効率化法。これらは個別の制度ではなく、物流取引の健全化という一つの目的のもとで重層的に設計されています。特定運送委託は、その重層構造の「入口」に位置しています。

判断基準

特定運送委託への対応は、発注のやりかたそのもの(発注構造)を再設計することです。

17.よくある質問(Q&A)

Q1運送会社がさらに再委託(下請)に出す場合も、荷主(委託事業者)は下請運送事業者に対して、取適法上の責任を負いますか?

A1荷主(委託事業者)は直接委託した運送事業者(一次受託者)との取引に対して取適法上の義務を負います。一次受託者がさらに再委託する二次以降の取引については、荷主が直接の委託事業者ではないため取適法の直接適用はありません。ただし、荷主の発注条件が結果的に二次受託者への不当な転嫁を誘引する場合は、荷主の違反原因行為として貨物自動車運送事業法第64条(荷主の責務)に抵触するおそれがあり、トラック・物流Gメンの立入調査の対象となる可能性が高くなります。
Q2産業廃棄物の収集運搬は、なぜ特定運送委託に含まれないのですか?

A2特定運送委託は「販売・製造・修理・情報成果物作成」の目的物の運送に限定されています(取適法2条5項)。産業廃棄物は取引の目的物(商品や成果物)ではなく廃棄物処理の対象であるため、4類型のいずれにも該当しません。ただし、有価物の運搬の場合は、特定運送委託の対象となる可能性があります。
Q3継続的取引の基本契約書があれば、4条書面(発注書)を毎回発行しなくても良いですか?

A3基本契約書があっても、個々の取引ごとに4条書面の交付義務は免除されません(取適法4条)。契約書には日々発注する物量やトラックの台数が記載されていないからです。本日の発注10トン車1台、積載物量6トン、○○工場に〇時に集荷。といった発注書を交付する必要があります。ただし、基本契約書に単価・支払期日・附帯業務の内容・対価等の必要事項が記載されており、個別の発注書でその内容を参照・確認できる形であれば、発注書を簡略化することは認められる場合があります。この場合は、発注書に〇年〇月〇日の●●●契約書に基づくものとする。といった文言を発注書にいれておく必要があります。
Q4「従業員数基準」のカウントに、パートタイム労働者や派遣社員は含まれますか?

A4取適法における「従業員数」は常時使用する従業員とされています。正社員だけではなく、期間の定めのある雇用(パート・アルバイト)も含まれますが、派遣社員(自社が派遣元でない場合)は含まれないのが原則です。
Q5納品時の「棚入れ」を有償化しなければ、即座に取適法違反になりますか?

A5取適法の禁止行為である不当な経済上の利益の要請に該当する可能性があります。従来の下請法では減額や買いたたきといった対価の支払の項目が勧告や指導の中心でしたが、大手元請運送事業者が初めて長時間の荷待ちと無償の附帯作業強要で下請法(現在の取適法)勧告を受けたのを機に、今後はこのような無償の附帯作業が厳しくチェックされることになります。すみやかに有償化するようにしてください。公正取引委員会は2025年12月の意見に対する回答で、「一切の付帯業務」という包括的な記載は違反のおそれがあるとの見解を示しています
Q6海外への輸出や海外からの輸入に伴う運送も「特定運送委託」の対象になりますか?

A6委託事業者と中小受託事業者との特定運送委託が日本国内で行われた取引であれば、貨物の発着地が国外であっても取適法の適用対象となります。日本国内での工場や倉庫から港までの陸送の部分が対象になります。グローバル調達や輸出製品の配送委託を行っている企業は、国内の運送委託会社との契約において取適法上の義務や禁止行為を遵守しなければならない点に注意が必要です。
Q7委託先が自社の物流子会社の場合も、取適法は適用されますか?

A7委託先(中小受託事業者)が自社の物流子会社(株式50%超保有)の場合は、実質同一会社とみなされ、取適法の対象外となります。ただし、グループ会社の物流も受託し独立性がある場合は、取適法の対象となる可能性があります。混同しやすいのですが、商品を販売子会社の販売した場合、取引の相手方はグループ会社ですが、外部の運送事業者にその運送を委託する場合は、外部の運送事業者に対しては、特定運送委託の対象になります。
Q8自社の工場から自社の物流センターへ運ぶのはなぜ「対象外」なのですか?

A8特定運送委託は「取引の相手方(顧客や発注元)に対する運送」であることが要件です。同一法人の工場から自社物流センターへの移動は、取引相手への引渡しを目的とした運送ではなく、法人内部の在庫移動に過ぎないため、原則として対象外となります。ただし、既に販売先の顧客が特定されており、物流センターが経由地の場合は、工場から物流センター、物流センターから顧客までの両方が特定運送委託の対象となります。
Q9資本金と従業員数はどちらを優先しますか?

Q9どちらが優先という訳でなく資本金基準もしくは従業員基準のどちらかに該当すれば、特定運送委託に該当します。
Q10倉庫の荷役業務は特定運送委託の対象ではありませんが注意しておくことはありますか?

A10荷役業務、すなわち倉庫における保管は取適法の特定運送委託は対象外ですが、物流特殊指定の対象になりますので運送と同様に法令を遵守した対応が必要です。

18.物流下請法への対応状況を整理したい企業へ

制度改正により、物流取引における荷主企業の責任範囲は大きく変化しています。契約書の整備だけでなく、発注条件や現場の運用実態まで含めて整理しておくことが重要です。

行政書士法人運輸交通法務センターでは、当法人が独自に開発した50項目のチェックリストに基づき、現在の制度対応リスクを整理する診断を実施しています。発注条件、契約内容、運用実態を横断的に確認し、制度改正後の是正勧告リスクの有無を客観的に可視化します。

自社の対応状況を整理したい場合は、下記物流下請法リスク診断を参照ください。

19.監修者紹介・法人紹介

監修者:行政書士 楠本 浩一(くすもと こういち)
行政書士法人 運輸交通法務センター 代表社員/
著書『荷主と物流会社のための物流下請法と「法令違反」防止ガイド

行政書士 楠本浩一は、物流分野における取適法(旧下請法)の実務に取り組む物流法務の実務家です。著書『荷主と物流会社のための物流下請法と「法令違反」防止ガイド』を出版し、物流分野における法令遵守とガバナンス設計を体系化してきました。

パナソニックの物流部門において物流法務を専任で担当。その後、物流子会社へ出向し、同社においても物流法務の責任者を務めました。荷主側と物流会社側の双方で法務責任を担い、契約設計、委託構造、運用統制までを含む実務を20年以上にわたり経験してきました。

主な実務領域

🟦物流発注契約の設計 ・委託スキームの構築 ・元請・実運送会社との法的整理
🟦契約と現場実態の乖離是正 ・取適法(旧下請法)および物流特殊指定対応


これまでに全国100か所以上の物流拠点に入り、倉庫・輸送・積込・待機・附帯作業の実態を確認。条文と現場の間にある構造的なズレを修正する実務を積み重ねてきました。

物流トラブルの多くは運送会社側ではなく、荷主側の発注設計とガバナンス構造に起因している。制度は守るものではなく、設計するもの、この視点から物流・運送業専門の行政書士へ転身し活動しています。

講師・掲載実績

 東海電子主催セミナー講師SMBCコンサルティング【NETPRESS】、日本実業出版社【企業実務】業界誌『新物流時代』(トラック情報社)NIKKEI COMPASS

行政書士法人 運輸交通法務センター

行政書士法人 運輸交通法務センターは、その名称の通り、運送・物流分野に特化した専門家集団です。

行政書士の独占業務である許認可手続にとどまらず、行政書士の「外側」にある非独占領域、すなわち荷主企業向けの物流ガバナンス構築に重点を置いています。

専門領域
  • 荷主側の物流発注設計 ・契約と現場運用の整合
  • 待機時間・附帯作業を含めた実務構造の見直し
  • 「物流下請法」を軸としたガバナンス設計

製造業・流通業・小売業といった荷主企業に対し、問題が起きてから対処する事後対応型ではなく、問題が起きない構造を先につくる事前設計型(予防型)の物流法務を提供している点が最大の特徴です。

各行政書士には専属の一般職員が付き、書類作成・情報整理・進行管理を分担。特定の担当者に依存せず継続的に案件を進められる体制を整えています。

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