トラックの待機料金・積込み料・取卸料はいくら?標準的運賃と下請法勧告の実例から解説【製造業・流通業・小売業必読】

トラックの荷待ち料金・待機料金はいくら払えばよいのか。積込み料・取卸料の相場はいくらなのか。この問いに答えられない荷主は、待機時間や荷役作業の扱いを早急に確認する必要があります。

荷主企業から近年特に増えている相談は、

🟦トラックの荷待ち料金・待機料金はいくら払えばよいのか
🟦積込み料・取卸料の相場はいくらなのか

といった内容です。

2024年問題を境に、ドライバーの労働時間規制は実務に大きな影響を及ぼし、待たせない契約にない作業を無償でさせないという考え方は、国の政策や行政対応の中で明確に示されています。
現場改善が進まない荷主・元請運送事業者に対しては、国土交通省のトラック・物流Gメンによる情報収集、働きかけ、要請、勧告、公表の動きも本格化しています。

この記事を書いた人
行政書士 楠本浩一(行政書士法人運輸交通法務センター 代表)
パナソニックの物流部門・物流子会社にて20年以上、全国100か所以上の物流拠点に入り、契約、発注、支払、附帯作業、荷待ち、荷役、委託先管理の実務を確認してきました。
著書:荷主と物流会社のための物流下請法と「法令違反」防止ガイド

目次

1.センコーの下請法勧告

※下請法は、改正後に「取適法」へ名称変更されます。本記事では、勧告当時の制度名に合わせて「下請法」と表記します。

そして決定的だったのが、令和7年12月12日、公正取引委員会がセンコー株式会社に対して下請法勧告を行った件です。

センコー株式会社は
✅下請運送事業者に対し無償で荷役作業や附帯業務を行わせていた
✅自社が管理する施設内で、長時間の荷待ちを無償でさせていた

として、下請法の不当な経済上の利益の提供要請に該当すると認定されました。

つまり、長時間の荷待ち無償の附帯作業は、下請法違反として勧告されたということです。

これまで下請法の勧告は、減額や買いたたきが中心でした。しかし今後は、物流現場の待機時間や荷役作業そのものが、行政対応の対象になっています。

すでに大手物流会社、元請事業者、荷主企業にも、トラック・物流Gメンによる勧告・公表事例が出ています。
センコーだけではありません。ヤマト運輸、NX・NPロジスティクス、王子マテリア、吉野工業所など、

全国規模の大手企業が、
🟨長時間の荷待ち
🟨契約にない附帯業務
🟨運賃・料金の協議不足や不適切な据置き

を理由に、トラック・物流Gメンから勧告・公表を受けています。

表に出ているのは氷山の一角で、勧告には至らないが、働きかけや要請を受けた荷主企業・元請事業者は多数出ています。

つまり現在は、「うちはまだ大丈夫」という判断が、一番危険な局面に入っています。

2.なぜ待機と無償の附帯作業が問題化しているのか

国土交通省の調査では、トラックドライバーの平均拘束時間11時間47分のうち、

運転時間 5時間54分
荷待ち時間1時間28分
荷役時間 1時間34分(荷待ち+荷役 3時間2分)
休憩時間 1時間54分
その他点検等  57分

と、拘束時間の約4分の1が「待つ」「作業する」に使われています。(第17回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会資料より)

標準的運賃は、トラック事業者が適正な運賃・料金を収受し、ドライバーの労働条件を改善するための参考となる水準です。荷待ちや荷役作業が発生すれば、その時間や作業に応じた料金が必要になるという考え方が示されています。

荷待ち料金や荷役作業の料金は単なる追加料金ではありません。

3.荷待ち料金・待機料金は30分超から発生します(令和6年度標準的運賃)

国土交通省が令和6年に告示した標準的運賃によると

荷主の責により待機した時間が30分を超える場合、30分を超える部分について、30分ごとに待機時間料を収受する整理になっています。

車種別の目安は次の通りです。

この金額は、国土交通省が告示した標準的運賃に基づく荷待ち料金(待機時間料)の目安です。荷待ち料金は車種・時間によって単価が異なります。

4.積込み料・取卸料は運賃とは別建てです

ドライバーが積込み又は取卸しを行う場合、標準的運賃では、運賃とは別に積込料・取卸料を収受する整理になっています。

さらに重要なのは
待機時間料と積込料・取卸料については、一定の時間を超える場合に別単価が設定されています。

時間管理を怠るほど、待機時間料や荷役作業料は増えることになります。問題は、料金を払うことだけでは終わりません。

ここで多くの荷主が誤解します。
お金を払っているから問題ない

この考え方は危険です。

国の狙いは料金を徴収することではありません。待機時間そのものを減らす運用へ変えていくことが求められています。

5.次のような荷主はトラック・物流Gメンから確認を受けやすくなります

🟦運賃と料金を区分していない
🟦待機料の支払いが常態化している
🟦到着時間の調整ができていない
🟦荷役料の扱いがあいまい

これは単なる現場問題ではなく、会社として物流取引を管理できているかどうかという問題です。

6.荷主が直ちに取り組むべきこと

詳細なノウハウは割愛しますが、最低限必要なことは、

✅トラックバースの予約と時間の分散
✅倉庫・着荷主との連携の見直し
✅待機時間・荷役時間の記録管理
物流委託契約・業務仕様書の見直し

特に契約部分がしっかりできていないと、標準的運賃だけでなく下請法上の問題につながる可能性が高まります。

法人代表 楠本浩一(くすもと こういち)プロフィール

同志社大学卒業後、パナソニックの物流部門および物流子会社にて20年以上、物流法務と契約管理に従事。荷主企業と物流会社の双方での実務経験を持ち、現場の課題と制度の両面を熟知しています。

現在は行政書士として独立し、「荷主責任」を切り口に物流コンプライアンスの実務指導・契約チェック・社内研修を展開。『物流下請法』の著者として、出版やセミナーを通じて最新の法改正や実務対応を提言し、制度改善に向けた提言活動にも取り組んでいます。荷主責任に関する実務指導の第一人者として、高い評価を得ています。

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